エネチェン☆カフェ

 2017年8月31日(木)、エネチェンカフェに何度かお越し頂いている、北海道新聞報道センターの関口裕士記者をおよびして、第23回エネチェンカフェを行いました。当日は常連の方から、初参加の方まで、年齢は子ども連れのママを中心に40名近くの参加者が話しに耳を傾けました。
震災後何度も足を運ばれ、再度の訪問で前日まで滞在されていた福島の現状について伺った後、今までの記事を基に、
①核のごみの科学的特性マップ
②トリチウムなど福島第1原発の汚染水
③公害問題と原発事故についてお話し頂きました。
 参加者からは「東電社員の『つぐない』は電気料金に含まれていて、電気を使う人は皆『つぐない』をしていることになる。」や、「福島の原発の関係の方が、『罪の償いは未来永劫(えいごう)続く』と言いながらも、それでも『原発は止めない』というのはなぜかわからない。」、「一人、ひとりの問題として考え、行動をおこさないといけない。」などの感想がありました。
質問時間が限られており、参加者の方全員の質問にはお答えできなかったので、後日、関口記者にお願いして、お答え頂いたので一緒に報告させて頂きます。
以下、質問と回答です。

①放射量が多いところで処理したロボットの処理方法は?
福島第1原発では溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)がどこにどういう風にたまっているかを調べるために遠隔操作のロボットで原子炉内を調べています。今年2月の2号機の調査では推定で最大650シーベルトの場所で調査しました。回収できずに原子炉内に放置したロボットもありますし、回収できたものについても汚染がひどいので、その後どうするかは未定のまま隔離して保管しています。また、4号機では燃料プールから使用済み燃料を取り出すために大破した原子炉建屋を覆うように新たな鉄骨の建物を造りましたが、この建物に使われた鋼材の量は約4千トンと東京タワー1個分に相当します。この鋼材をどう処理するのかも決まっていません。ロボットだけでなく高い放射線量にさらされた部材をどこでどう処分するかはまだ決まっていないのが現状です。

②甲状腺がんは増えているのか?
福島県と福島県立医大が原発事故当時18歳以下の約38万人を対象に行っている調査で、がんやその疑いの子供の数は昨年末までに180人を超えています。「その疑い」というのは、甲状腺がんは摘出しないとがんと診断されないため、まだ手術を受けていない患者さんは「疑い」に分類されるからです。甲状腺がんは年を取るにつれてかかりやすくなる一方、小児甲状腺がんはもともと100万人当たり数人程度しか見つからない病気とされていました。しかし福島では38万人に180人(100万人当たりにすると450人以上)なのでこの数字だけ比較すると、とても高い割合で見つかっていることになります。県と医大は「スクリーニング効果」といって自覚症状のない子供も含めて全員を調べているので、通常見つからないがんも見つけているとして「原発事故の放射線の影響は考えにくい」と説明していますが、これを批判する専門家も少なくありません。しばらく患者数の推移を追わないと断定的なことは言えないと思いますが、せめて「影響があるかもしれない」という姿勢で検査を拡充すべきだと私は考えています。

③食料は安全か?北海道に住む私たちが気をつけることは?福島以外の放射能の影響について。
今は道内の農産物などから放射性物質はほとんど検出されません。福島県の農産物も検査はしっかりしています。例えばお米はJA福島が出荷する年間1000万袋ほどの全袋を調査していて、昨年、1昨年は国の基準値(飲料水で1キログラム当たり10ベクレル、牛乳や乳児用の食品で同50ベクレル、米や魚介類で同100ベクレル)を超えたものはありません。魚についても試験操業といって放射能を測りながら少しずつ流通させています。放射性物質はもともと自然界にもあり、体重60キロの人で体内に約7千ベクレルあるとされています。こうしたことから私は現時点で福島事故で出た放射性物質による食品の汚染については個人的にはあまり気にしていません。福島に行けば現地の野菜やお刺身なども頂きます。とはいえ、気になる人は気になると思いますし、そもそも国の基準値がそれでいいのかという議論もあります。原発事故で出た放射性物質は1ベクレルも受けたくないという気持ちも分かります。特に子供に対しては少しでも安全なものを食べさせたいというのは私も強く思いますので、なるべく地元の食材などを使うように心がけるのがいいとは思います。

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