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いらない原発!止めようプルサーマル! 23年目の「4.26チェルノブイリデー」
無菌管理の環境下で、臓器別 に専門医が関わって集中治療を 行ないましたが、結局救命する ことはできませんでした。亡く なる寸前にお子さんに会っても らったのですが、全身の細胞の量が少なくなるので、いわばミイラのようになってしまい、「これはパパじゃない」と言う。それぐらい容貌の変化が起こる非常に恐ろしいものでした。
私が憤慨するのは、そのよう な状況の中で、国・行政は事故 が起こるまで何も対策を打たな いということ。JCOの事故が 起きるまでわが国には緊急被ばく医療体制は存在せず、事故直後ですら公的には「被ばく医療」 という言葉はタブーだったのです。また従来、原子力発電所周辺の住民の健康被害に対しては法律や指針等があったのに、 事業者に対しては「勝手にやり なさい」と、国は無責任な対応 を取っていました。しかし私たち医者にとってみると、住民も事業者も同じなのです。 事故後は直ちに原子力災害対策特別措置法が制定されま した。また、私たちは原子力 安全委員会の中で緊急被ばく 医療のあり方について議論を重ね、報告書にまとめました。事故から問もない時期だったこと もあり、「命の視点に立った対 応であること」「人命尊重を最優先にする」などの基本理念や、 体制の整備等について情熱に燃 えて書きました。
ただ、昨今の厳しい医療事情、 とりわけ地方における医師不足 という事態から、もう被ばく医療どころじゃないよと言われて いるのが現状です。また、緊急被ばく医療体制は整備されてきましたが、原子力施設立地地域 以外にはその体制が存在しない という問題もあります。 このような事故は頻繁に起こるわけではないし、一生に一度も遭うことはないかもしれません。しかし、セーフティネット としての緊急被ばく医療はやは り必要だと私は思うのです。 ![]()
生活クラブはそういう意味 で考えると、いろいろなものを 情報開示してきました。例えば 醤油。市販品との違いは、醸造 期間を1年6カ月以上とし、それを開示している点です。市販品は様々な形で売り込んでいますが、大切な情報である醸造期間を書いてあるものはないですね。何か都合の悪いことがあ るんでしょうか? 醤油は発酵食品ですから時間がかかりま す。でも儲けるためには効率よ く造りたいので、加熱すること で時間を短くする。その結果、 味が整わないので添加物を入れる。そういう形でつくられている物が多いんです。
そういった市場に対して、生活クラブは提携することで生産・流通・加工まで全ての過程 が分かる、ということが非常に 大切だと考えています。過程が 分かるから「安全・安心」という言葉が出てくるんですね。 農産物の取り組みは、ライン の確立をめざして3年目になり ますが、ここまで時間がかかっ ている理由がいくつかありま す。一つは収穫時期が限られて いるということ。そこで今、生活クラブグループが全国農業協同組合連合会と一緒になって全国の農産物を扱っています。 これで北海道も通年取り組み の見通しが立ちました。基本的 には短い期間であっても、道内 農産物を中心に取り組んでい きたいと考えています。
このBSE事件は2001年 9月に発生しました。北海道 でもBSE にかかったという報告が出てきましたね。なぜこの問題は起きたのか、色々な報告書を読んでみると、行き着 くところ「これは人災である」 と多くの人が言っています。 1950年代後半、羊毛産業が非常に栄えたイギリスで、 羊にスクレイピーという奇病が 稀に発生していました。イギリ スは寒冷な気候のため、牛に草 を与えるということが極めて困 難だったらしく、早く成長させ てミルクを出させるために考え られたのが、肉骨紛。病気で死 んだ羊や、他の動物の死骸まで も煮込んで作った肉骨紛を、草食動物の牛に食べさせるという ことが延々と行なわれてきたそ うです。 80年代に入り、オイルショックで原油が高騰すると、生産 効率優先のため、煮る時間を 短縮した結果、病原菌が死滅 せずにそのまま残った。それで BSEが発症したのです。イギ リスではいち早く気づき、自国 で使うのを止めました。しかし、 産業はそのまま継続され、世界 中に肉骨粉を輸出したんです。 自分たちの商売を優先した結果、BSEの被害を世界中に広げてしまったといえます。 人間にはヤコブ病という形で 発症しましたが、多くの人が発 病したわけではありません。リ スク論としては、わずかな人な のだから問題ではないという意 見が一方にあります。しかし、 問題の背景がはっきり分かって いる以上、きちんとした対策を 打たなければいけないと思いま す。遺伝子組み換えの問題につ いても同じです。
ここで大切なのは、「生産時 間」がそれぞれにあるというこ と。環境も含めた「生産空間」 も必要だということ。そして利 用していくためには、あともう 一つ必要なものがあるんです。 何だと思いますか? それは利用していく「仲間」。 僕はさんまと言っていますが 「時間・空間・仲間」 の三つの 問がないと共同購入は成り立ち ません。これがないと、自分た ちにとって必要な材は手に入れ られないのです。
二つ目は、生活に必要な社会機能、仕組みを作る運動。たとえばグリーンシステムは、生産・流通・廃棄までを考えた時、 ゴミの問題を解決する仕組み として作ったということです。 三つ目が、人間の関係性に基 づいて、自己表現、自己実現で きる運動。人に任せるほうが楽 だというのは僕にも皆さんにも あると思うんです。しかしその中で、自分が考えていることを どう表現するのか、ということ を大切にしてほしいと思います。 協同組合とは、人と人との 関係性の中から、問題を解決 する仕組みを一生懸命作ってい るところです。どういう世の中 であれば、自分も人も豊かに 暮らせるのかということを、考 えていかなければならないと思 います。そのための一歩として、 いろいろな場面に登場して楽し く活動してほしいですね。 ![]()
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