機関紙2009・11月・NO.322
    
INDEX
●韓国生協の女性活動家と交流
●サークル活動から地域に広がる新たな人の輪
●福祉基金助成先紹介
●Rビンを生かせる社会へ
●情報BOX

石けん  重曹  クエン酸
便利アイテム紹介
  
せせらぎや重曹等で作る洗浄剤を紹介
 ナチュラルクリーニングで
 楽しく大掃除!
 本部石けん運動委員会では、年末の大掃除に向けて「せせらぎ」を中心とした、 人体や環境にやさしい洗浄剤を使った掃除法の講座を開催しました。37名の参加者 は、メモや質問をしながら熱心に委員の話に耳を傾け、終了後には「新しい発見があっ た」「楽しくて勉強になった」という声が聞かれました。
(10/22札幌エルプラザ)            
       石けん運動委員 大塚恵理子

窓ガラス

薄い石けん水を含ませた布やスポンジで
ガラスを拭き、その後すぐ乾拭きする
鍋・やかん

ラップを丸め、重曹ペーストを付けてこすると、
ピカピカに


「静電気を防ぐための衣類のリンスは
何を配合して 作ったら良いか」などの質問が
換気扇

石けんで煮洗い。事前にブリペイドカードなどで
汚れをざっと削り落としておくのが、コツ


   ソウル東北女性民友会生協・生活クラブ北海道
     
  韓国生協の女性活動家と交流 

 韓国ソウル東北女性民友会生協との交流のため、9月15日~19日、理事・ワーカーズ連絡協 議会の6名が訪韓しました。今回、母体であるソウル女性民友会生協の20周年事業の一貫として、 日韓の地域生協のネットワークを強化し、女性活動家たちが国際交流の主体として力量を高め ることを目的に開催されました。生活クラブ北海道は、理念や活動の紹介と韓国の生協が大変 興味を持っているワーカーズ運動について発表しました。


生協店舗(パンハクトン店)  
 
セミナーには、民友会生協から理事と 組合員約30名が参加
 
サークル「タブリ」によるチヤング演奏

 初日は、ソウル東北女性民友会生協の方たちの心温まる歓迎会があり、誰もが今回の交流にかなりの期待感を持って臨んでいることがうかがわれ、和やかな場の中にも心地よい緊張感が漂っていました。  二日目、お互いの活動を報告し、学び合うセミナーが行なわれました。私たちはスライドを使ったり、わかりやすい表現を心がけて発表しました。民友会生協からは、フィービラの森づくりの目的や福祉基金、そしてたすけあいワーカーズの取り組みについての質問がありました。

封建的社会での女性運動として
 ソウル東北女性民友会生協 は、組織分権を通して組合員参加を拡大し、地域とより一層 密着した活動を行なうため、ソ ウル東北女性民友会より重要 活動の生協部門を分離独立し、 2005年に創立されました。
 女性が主体となり、調和・ 協同・平等の理念を土台に協 同組合原則を実践し、生産者 と消費者の協同、および代案 生活運動を展開して持続可能 な社会の実現に寄与すること を目的としています。  女性主体の理念は、取り扱っ ている材(生活材) に向き合 う姿勢に顕著に表れています。 例えば、働く女性に必要と思 われる材の開発。また、性差 別につながる材の名称や、生 産者の名称まで変更させた経 緯があるそうです。  また生産者との提携におい て、ソウル女性民友会生協の 理念を理解していること、すな わち「性平等」 について理解 し、共に考えることを、生産者 を選ぶ第一条件にしています。 このことは、韓国で未だ家父長 制が根付いていることへの反発 の表れかもしれませんが、提携 のあり方として自然な成り行 きのように思えました。
 
韓国の貴族の家を再現した喫茶店「古堂こたん

交流を今後の活動に生かす
 文化交流として、伝統芸の チヤング(太鼓) 演奏と、キ ムチ作り体験をしました。ま ず、チヤングの演奏を主な活 動としているサークル「タプ リ」 の自前の練習場を訪問し、 力強さは共通するものの日本 の太鼓とは明らかに違う音や 演奏に、異国気分を充分に堪 能しました。キムチ作りはソ ウル東北女性民友会生協の方 たちから直接手ほどきを受け、 韓国女性の豪快さに圧倒され つつも随所に心の温かさを感 じて、本当に楽しいひと時を 過ごしました。  初めての交流なので双方に 理解しにくいところが多少あ りましたが、地域での活動を こんなに頑張っている女性たち がいることを共に知ることがで き、お互いに元気や勇気を与え 合ったと信じています。交流と は相互理解であることはもちろ んですが、それ以上に、自分た ちの運動を見つめ直し、ビジョ ンをもって未来の姿を問い直す 好機であるところに意義があ ると改めて確認しました。
      (理事 小林明美)




     サークル活動から
    地域に広がる新たな人の輪
                       もうひとつの組合員活動
05年度からスタートし、4年目を迎えたサークル活動。今年度は新たに22団体が加わり、80のサークルが食・健康・環境・文化・教育などの様々なテーマで活動を行なっています。また、サークル交流会や発表会、講習会など、支部の中で新しい活動も始まっています。

 小樽  子どもの環境を考える親の会
最新情報を学び 楽しく実践がモットー
  アレルギーや化学物質過敏症などに苦しんでいる人や環境問題に興味を持っている人が集う会です。環境の変化を一番受けやすい子どもに焦点を合わせて、国内外問わず最新の情報から私たちにできることを考えます。会報「しっていますか?シックスクール」を毎月1回発行し、その会報に沿って学習会をしています。場所は会員おすすめのレストラン。素敵な空間で、美味しい食事をしながらの学習会は、とても満足できるものです。誰でも気軽に参加できます。また、会報は1人でも多くの人に知らせたい内容なので、購読だけの会員も募集しています。年会費は、会報の郵送代・コピー代などで1100円です。      〈代表 神 聡子〉 
 
 恵庭  フラワーサークル「華」
花の香りに包まれた    優しい時間を過ごしています
    お花のイベントに参加したことがきっかけで、定期的に集まりたいねと話が 盛り上がり、結成しました10月に2名の入会があり、現在10名で活動してい ます。内容は生花のアレンジフラワーや押し花です。講師を頼んで、午前10時 半から12時位まで月に1回行ないます。 費用は講師料が500円と花代(実費)です。場所は生花はサークル代表宅、押し 花は講師宅です。どちらの場所で開催しても、終了後は個々に持ち寄ったものを食べながら時間の許す限りお茶とおしゃべりをします。 なかなか全員が揃うことはありませんが、年齢もさまざまなので、情報交換や人生相談など、とても楽し<有意義な時間を過ごしています。 〈代表 岡本智子〉

 手稲  サークル詩吟
詩吟に合わせて  舞ってみませんか
 地区館るくすの部屋を借りて練習をするようになって、いろいろなサークルが活動していることを知りました。そこで、みなと一緒に楽しく踊れたらと会を結成しました。剣舞を踊ってみると、これって全身運動で特に足腰が鍛えられ、持久力や瞬発力がつくんだなあと実感します。また、踊ることは自分を発散させることもできて、なかなか楽しいのです。
  サークルでは、足の運びや力の扱い方の基本を詩吟に合わせて踊っています。月1回木曜の午後に、現在5名で練 習しています。今年の4月から始めたので皆新人です。参 加費は無料で道具はお貸しします。ぜひ一緒に踊ってみま せんか。お待ちしています。 〈代表 木村和美〉  

   羊毛を愛する会
忘れ去られていく技術と   「ものづくりの喜び」を伝えていきたい
 
 芸術の森ホームスパン講座で知り合った仲間で、廃棄される道内の羊の毛を活用したいとサークルが誕生しました。物不足の時代に農家は羊を飼って、その毛を刈り、紡いでセーターや服地を作っていました。その技術の伝承を目的に活動しています。現在会員は7人。活動の拠点は、芸術の森にある染工房と織工房です。集まる日時はその都度決めています。羊毛は農業試験場と八紘学園からもらっていますが、道内の牧場からも購入しています。洗い作業と草木染めは春から秋の仕事です。カーダーかけ・紡ぎ・織り・編み・フェルト化の作業は1年を通して行なっています。   〈副代表 辻村のりえ〉  

 豊平  Tea Pot(チャレンジ・ザ・料理)
主婦の技を隠し味に、   いろいろな料理に挑戦!

    サークル発足以前から、ずっと活動 しています。「食べることが好き」と いう仲間が集まり、特に先生はいませ ん。作ったことはないが食べてみたい、 作っておいしかった自慢料理などを持 ち寄り、季節に合わせてメニューを決 め、レシピを見ながら1回にデザート を含め5、6品作ります。お弁当のおかず (写真上)というテーマの時には、 毎日お弁当作りに苦労しているという 組合員の方が参加してくれました。  レシピの分量と参加人数が違う場合は、そこは長年の主婦の勘で上手に調整して作っ ています。料理講習ではなく、作って食べて、話して気軽な楽しいサークルだから長く 続けてこられたのだと思います。会場は西岡福住地区センターで不定期開催です。          〈代表 小向 百佳里〉



   福祉基金助成先紹介
        
 

09年度の助成先10団体を紹介しています。今回は「ボランティアサークル ななかまど」(岩見沢市)と、財政再建中の夕張を応援する目的で助成先 に選ばれた「ひなたBOOK(ひなたぼっこ)」(夕張市)を紹介します。  
 ボランティアサークル ななかまど
やっぱり 笑いが一番!!
 
南京玉すだれの妙技はお年寄りの笑顔を
誘います(右が西村さん)
新聞を読むこともテレどを見ることもなく、毎日を過ごす認知症のお年寄りたち。グループホームで暮らすそんな人たちのために、何かできることはないだろうか。介護の現場で働き始め実状を知った西村郁子さんは、元保育士仲間、歌やピアノなどの特技を持つ人に声をかけ、05年5月「ボランティアサークルななかまど」を設立。 岩見沢市内の老人施設の訪問を始めました。
 当初は保育士の経験を生かし、人形劇やペープサートなどを披露しましたが、反応はあまり良くありませんでした。何よりもメンバーある70代の男性が馴染めないものを、同年代の人たちに受け入れてもらえるはずがないと、懐メロを中心とした寸劇へと趣向を変えてきました。
 1回の公演はおよそ50分。寸劇・ケーナ演奏・童謡と、テンポ良く続きます。特に水戸黄門の寸劇はお年寄りにも好評でいつも拍手喝采です。南京玉すだれの場面では、リズムに合わせ体を動かしたり手拍子をしたり。懐メロは娘の顔を忘れてしまった人でも覚えていて、一緒に歌ってくれるそうです。「喜んでもらえることが私たちの喜びになっています。私たちも楽しんでいるんですよ」と西村さん。
 公演は、7人のメンバーのほとんどが仕事を持っているため2ヵ月に1度が限度。1年間で6ヵ所を訪問しています。その合間には衣装や小道具を手作り。材料は持ち寄ったり自分たちの会費で賄います。
 「もっともっと笑いを取りたいので、いつも笑いの種を探しています。笑うと心も体も活性化されますから。あと5年は続けたいですね」と、西村さんは嬉しそうに話してくれました。7粒のななかまどの赤い実は、冬に向かっていっそう際立っていくことでしょう。
                 

 図書コーナーボランティア ひなたBOOK
移設で活発になった図書活動
 
小学校での読み聞かせ
 
軍手人形で手遊び
(右か代表の外尾恵子さん)

 2007年3月、夕張市が財政破綻した影響で市立園書館が閉鎖。 そのため、市の保健福祉センター内に図書を移して、図書コーナーを開設しました。
 図書館が閉鎖される以前は3人いた市の職員も、移設後には、司書の平井由美子さんだけになったため、知人や親しい人に呼びかけて、 図書コーナーボランティア「ひなたB00k」が設立されました。  主な活動は、絵本の読み聞かせや図書の整理と補修などです。
 保健福祉センターヘ移設したのを機に、1歳半と3歳児健診時に読み聞かせを始めました。さらに、市内に6校ある小学校でも、読み聞かせを行なうようになりました。 学校の先生方にも認知され、2時間もの授業時間を任されることもあります。また、老人施設からの依頼もあり、昔話しの絵本や紙芝居が、お年寄りにとても喜ばれています。市民も読み聞かせに興味を持ってきたそうです。
 現在メンバーは21名で、ほとんどが家庭の主婦です。絵本にふれる機会のなかったメンバーでも、子供たちの楽しそう笑顔に出会ってからは、すっかり魅了され、今では大事な読み手となっています。子供たちやお年寄りが、笑ったり感動したりするのを直に感じることが、何よりの喜びです。
 予算がないので、本を購入することはできませんが、寄贈図書が多いので図書館があった頃よりも新刊が多く揃っていて、健診後に絵本を借りていく親子や、お年寄りなど、市民への本の貸し出しも増えているそうです。
 11月には「図書まつり」を行ないます。読み聞かせや人形劇など、楽しい企画にメンバーみんな、はりきっています。   









      Rな一日        
                 Rビンを生かせる社会へ

9月29日、エルプラザにおいて環境委員会主催の「Rな一日」が行われ23名が参加しました。 ㈲ひがしリサイクルサービス東龍夫さんのお話の後、参加者がびんにつしいて疑問や質問を出し、 話し合いました。また、Rびんの消費材を使った料理の試食や市場調査の結果報告もありました。

ひがしリサイクルサービス      
東 龍夫さん

生活クラブでは現在、センターで保管 しているRびん(配送車が組合員から 回収したぴん)の回収、保管、東京へ の移送作業をひがしリサイクルサービ スに委託している。
●一般市場のリターナブルびんの状況
 現在、道内には一升びんが70~80万本流通しています。核家族化・冷蔵庫に入らないなどの理由か ら主流は紙パック、中・小型びんへ移りつつあります。 ビールでは出荷量の約2割にびんが使われていますが、その内8割が業務店向けです。その他300mlや 720mlのRマークびんが30~40万本出荷されており、日本酒や焼酎などで使われています。  びんの回収はスーパーではあまり行なわれず、酒店など全道1500店や回収業者が回収しています。 しかし、Rマークびんについては制度があまり知られていないため、回収はほとんどありません。北海道容器商業協同組合でも「ガラスびん回収」についてパンフレットを作っていますが、なかなか活用はされておらず、店員でもリターナブルびんについて知っている人はあまりいない状況です。  では実際にリターナブルびんを循環させ活用して いくには、どうすればいいのでしょう。それにはまず、作る場所・消費者・回収する場所が近くなくて はうまくいきません。例えば日本酒を例に挙げると、道内消費量の約8割が新潟や九州などの道外産です。 びんの活用という点からすると、高い輸送コスト、移動によるびんの劣化などから再使用が難しくなります。生活クラブでも地元のものを優先して消費して いますが、循環型社会を目指すにはリターナブルびんも地産地消型のシステムを作るべきなのです。

●これからの画収拡大と普及
 市民が行政に働きかけて「Rびん回収協力店制度」を作ってはどうでしょうか。スーパーや回収業者に登録を呼びかけ、受け皿を作っていくのです。また、札幌市で行なわれている混合回収では、びんに傷がついてリユースすることはできません。全てリサイクルにまわってしまいます。ですから使い捨てびんを含めた全てのびんをコンテナ回収し、リターナブルびんを選別していけばリユースしやすくなります。  現在の容器包装リサイクル法では、容器廃棄物の収集と処分費用を自治体が負担しています。そうではなく、廃棄物の処理をメーカーに義務づけ、売った人も、買った人も費用を負担するように変えていけると良いのではないでしょうか。そうなると当然、 販売価格に処理費用を上乗せすることとなり、費用を抑えるためにリターナブルびんを採用するメーカーも増えてくると思います。  また、「温室効果ガス25%削減」の施策として、リターナブルびんを率先して普及させていくよう、環境大臣・消費者大臣に要望を出していってはどうかと思います。さあ私たち市民から声を上げていきましょう。

Rな一日etc
 
 この日参加していた北斗支部の 上本さんは、「何も知らずに分別 するのと収集後のことまで理解し て分別するのでは違うと思う。き ちんと市民に伝えてほしい」。ま た、江別支部の久原さんは「組合 員が率先してRびんの普及を進め ていけたらいいと思う」と話して いました。  
豚肉のソース煮やすし酢を使ったサラダなど、料理3品を紹介
 
  




 
   情報BOX

   知って安心「介護教室」

日 時 12月2日(水)10:00~12:00

場 所 札幌エルプラザ 大研修室
      (札幌市北区北8西3)

日 時 12月4日(金)10:00~12:00
場 所 札幌エルプラザ
 中研修室
      (札幌市北区北8西3)

講 師 大久保和子さん

内 容
1日目一寝たきり、片麻痺の介護者の着替え、
      ベッドから車椅子への移動など
2日目一食事の介助、排泄介助の方法など
持参するもの一 筆記用具・お弁当
        1日目に参加する方はパジャマ
◎動きやすい服装で参加ください。
   福祉基金賛同者状況 (10月18日現在)
     2167名(4名増)
わたしたちの70円が
地域福祉を大きく変えます。
あなたもぜひ参加しましょう!

福祉基金賛同書は各センターまでご請求ください。
問合せ/生活クラブ本部  TEL 011-665-1717
知って・変えよう!  「容器包装りサイクル法」     
  ~目指すは3R優先社会~
日 時 11月20日(金)10:00~11:50
場 所 札幌工ルプラザ 2F環境研修室                         (札幌市北区北8西3)
講 師  生活クラブ連合会企画部管理推進・環境課長          山本義美さん
託 児 参加申込時に受付    
                   主催:環境委員会


江部乙稲刈リツアー      報告
 晴天に恵まれた9月26日、70名の参加で稲刈りツアーを行 ないました。目の前に広がる黄金色の田んぼで、最初に鎌の使 い方を教わり作業開始。小さな子どもたちも、夢中になって稲 を刈り取りました。
 その後の稲を束ねる作業はなかなか難しく、 あちこちで生産者を囲んでの束ね方教室の輪が広がっていま した。参加者の中には、6月に行なわれた田植えツアー体験者 も多く、自分たちが植えた稲を自分たちで刈り取るという一連 の作業を行なったことで、お米に対する思いもより深まったよ うでした。短い時間でしたが、収穫の喜びをみんなで実感し、 生産者との交流も深めることができた1日となりました。
 今年は雨が多く日照不足のためにいもち病が発生し、やむ なく最低限の殺菌剤を散布しましたが、生産者の愛情がたくさ んこめられたお米を、これからもみんなで利用しましよう!!            
  消費委員会担当理事 佐藤 美智子


        組合員でつなぐリレーエッセイ     時遊帖 じゆうちょう

 それは小学生の頃。母が着物を着て学校に来た。 よそのお母さんも着ていたから、私は参観日だと 思っていたけど、卒業式だったのかなぁ…確かに 春だった事は間違いない。その鮮やかな黄緑とい うのか、萌える若葉のような色が今でも目に焼き ついている。大人になったらその着物をもらおう と、密かに思っていたくらいだ。(私は和服のカタ ログを見入るちょっと変わった子だった) 残念な 事に母の着物も祖母の着物も、すべて火事で焼け てしまった。
 二人の姉たちは成人のお祝いに振袖を作っても らい、色無地や訪問着も作ってもらったが、ほと んど着ないでタンスの肥やしとなり、似合わぬ年 となった。その教訓なのか、母が私に作ってくれ たのは小紋と付け下げだった。それでも私はうれ しくて度々結婚式などに着た。自分で着られたら いいなと何度かお友達に習ったりしたが、子育て ブランクですっかり忘れてしまった。
 ところが思いがけなく、この春から着付けサー クルが始まったのだ。これはチャンスと、来春の 卒業式を目標に再々挑戦。しかし手を後ろに回す と右か左か混乱する頭で、四十肩と付き合いなが ら帯を締めるのに四苦八苦。それでも先生の努力 でなんとか着付け終わると、背筋が伸びて帯の気 持ちいいこと。やっぱり和服が好き、としみじみ 思います。来春、はたしてどうなることやら。
 おっと、その前に母に色無地作ってもらわなきゃ。              恵庭支部/香川 真江