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![]() 2012年度活動テーマは「人に会う」 総代会では審議に先立ち、来賓の生活クラブ共生会会長の服部醸造㈱服部雅彦さんが挨拶。 「生活クラブは石けん運動、脱原発など、環境や食の安全をめぐるさまざまな問題に取り組み、発展させてきました。生産者として、安心安全な食を今後も追及していきたいと考えていますが、作った消費材を食べてもらうには拡大が必要です。生産者にも生活クラブ組合員になってもらうよう積極的に働 きかけていきたいと思います」。共生会も組合員と一緒になって、拡大活動を進めていくと述べた。 2012年度 活動報告 日本を襲った東日本大震災は東北地方の農・水産業に多大な被害を与え、第一次産業の弱体化が進行する中、一層深刻な状況をもたらした。また、デフレにより、暮らしを取り巻く状況は厳しさを増し、共同購入・拡大活動にも影響を及ぼしている。 こうした中で11年度の共同購入活動は、供給総額31億8119万円、前年対比97・6%に留まり、その要因として、組合員の減少、放射能汚染の不安による利用減も挙げられる、と報告された。 部門別では、計画購入品・豚肉・農産物の低迷が続いているが、米は登録制度によって安定した供給があった。 主要課題として展開してきた福祉基金は、語る人を増やし、年度末には賛同者3044人となり、市民参加の福祉を地域に広げていくことに繋がった。 福島原発事故による放射能汚染問題では、連合会が9月より全品目の検査を開始。北海道で も7月から、主要品目の独自検査を行い公開してきた。 拡大活動では、加入計画1000人に対し、実績776人、年度末1万3千398人(インターネット組合員含む)で、計画数に及ばなかった。 さまざまな課題に積極的に取り組んできたものの、拡大・供給活動ともに計画が達成できなかった状況について、監事会からは「内外の厳しい状況の中で健闘しているといえるが、今後も一層の経費節減を心掛け、経営と運動のバランスを考えながら健全経営に努めてほしい」との監査意見があった。 2012年度 活動方針 12年度の組織活動テーマは、「人に会う」。 戸別配送の導入以降、生活クラブにおいても、人と深く関わらなくても済む仕組みが増えてきた。しかし、生きる恐れや生活への不安というものは、人と人とのかかわりの中でしか根本的には解決されな い。今年度は拡大括動として、班・戸配組合員との出会い、他団体、地域との出会いをも想定した「国際協同組合年」に相応しい豊かな活動を目指す。 また、生産・消費の持続可能な社会を実現するため、より大ぜいの組合員、生産者の協同の力で自給力の向上を目指し、共同購入活動を進めていく。 以上の認識の下、次のような方針が提案された。 共同購入活動 ●「米登録」制度を通して食べる人を増やし、提携関係を強化していく。 ●農産物は、新たな品目の開発と安定した取り組みを目指す。
組織活動 ●生活クラブ設立30年を迎える12月を、組合員1万3千人で迎えるため純増294人を目指す。 ●新規組合員への新たな試みととして「戸配配達料半額キャンペーン」を実施する。 ●生活クラブ設立30年を記念し、さまざまな行事に取り組む。 ●組合員に寄り添う形での葬儀事業を進めていく。 ●原発に依存しない社会を実現するため、国に原子力政策の転換を求めて運動を進める。 会場からの意見・質問 各議案について会場から意見 質問が出され、「せせらぎの利用が落ちているのはとても残念。今年度具体的な提案がないが、何かここはという思いがあったら聞かせてください」 に、理事会からは「新規組合員、石けん未利用者向けの講座を支部で開催する他、行事を行う際には『石けん』 の企画をぜひ入れてほしいと言うことを提案していきます」との返答があった。 また、「組合員の減少をどのように分析しているのか」 の質問に「ここ数年、脱退理由として多いのは、経済的事情と家族構成の変化による消費減の2点です。生活クラブの中身を伝えきれていないということがベースにあると思いますが、だからこそ新規組合員のフォローに力を入れていきたい」と答えた。 活発な質疑応答の後、全ての議案は賛成多数で可決された。 (取材/笹山) ![]()
生活クラブ北海道からは、本部石けん運動委員会や本部環境委員会などから8名が参加しました。 地域や地球の生態系を視野に入れた選択を 石けん運動委員会担当理事 菊池美智江
今年は生活協同組合パルシステム東京が受け人れ団体となり、「いのちを豊かにつないでいく~明日をつくるのは私たち~」 と題した生物多様性保全を基調としたフォーラムが開催されました。 農業が及ぼす 多様な生物への影響 1日目の基調講演では、東京大学保全生態学研究室の鷺谷いづみ教授が 「生物多様性と農業と原子力災害」というテーマで、私たちの暮らしのありようが多様な生物の命の連鎖に多大な影響を及ぼすということを、主に農業に視点をおいて講演されました。 本来、命を育む食べ物を生産するはずの農業において、単一の農作物を大量に作るモノカルチャー農地の広がりにより、森や湿地が減少し、普通に見られていた生き物が姿を消し、生態系が地球規模で急激に単純化する傾向が続いています。 また、生産性を高めるために使用される農薬や化学肥料が、地域内での窒素・燐循環も改変させ、富栄養化などの様々な問題をもたらしており、持続可能性を著しく低下させています。生物多様性という 視点はこのような問題を知り、解決を図るための指標になるということです。 次世代に負担をかけない行動を 昨年起きた原発事故による放射性物質の拡散は、人間だけでなく、あらゆる生き物の健康を害し、正常な命の連鎖を阻むものであり、原子力利用は「持続可能性」とは相容れないものであると話されました。 私たちに求められているのは、自分と家族の健康や安全そして利益だけではなく、地域や地球の生態系を視野に人れた 「モノ」 の利用を通して生物多様性を保ち、後の世代に負担となることや、選択肢を狭めることがないように行動することではないでしょうか。 基調講演に続くシンポジウムでは、地域内での資源・エネルギー・貨幣循環を実践している埼玉県の農園、生態系と作物本来の力を活かした栽培をしている福島県の農場、宮城県でのふゆみずたんぼの取 り組み、外来のイネ科植物による花粉症対策を行う市民グループなど、5同体のパネラーから報告がありました。 今回の全体会は、石けん運動という言葉からイメージするものとすぐには結びつきにくい内容でしたが、暮らしの中にある様々な問題は、私たち一人ひとりの選択・意志決定と深く結びついていることを示唆したものでした。全体会終了後に行われた交流会では、全国各地で活動している仲間と情報交換し、石けん運動をすすめる元気を得ることができました。
![]() 福島第一原発事故後、生活クラブ連合会では、それまでの37ベクレルという放射能自主基準値の運用をやむなく停止。国の暫定規制値を運用しながら、まず外部に委託し消費材の放射能検査を実施しました。昨年9月からは、埼玉県にある飯能と戸田のデリバリーセンターの2ヵ所に検査機器シンチレーションカウンターを導入し、独自検査を開始。全体の傾向を把握するために1万5千件を超える5分間の簡易検査を実施してきました。その結果、生活クラブの独自基準(暫定)は国の新基準値より低い値で設定できると判断し、4月から運用が始まりました。 チュプでは、消費材の放射能検査について、本部事業推進課の佐藤俊光さんに聞きました。 (取材/佐々木)
Q 事故直後は、北海道でも組合員からの電話が殺到したそうですね? A ずいぶんかかってきましたよ。多かったのは産地や製造日を教えてほしいというもので、中には子どもに食べさせたくないから返品したいというものもありました。その後、方向性を示してからは、国の基準に準ずることへの批判もありました。でも37ベクレルの自主基準を運用すると、供給が困難になる 恐れがあったのです。当時は、とにかく消費材の汚染状況を把握することが先決でした。 Q もっと検出限界値を下げてほしいという声もあったのでは? A 「0」にしてほしいという声はありました。もちろん低いに超したことはありませんが、「0」の食べ物を集めること自体もう無理なことで、それほどひどい事故だったという認識が必要だと伝えました。また、「検出限界」という表現をせざるを得ませんでした。 Q 北海道単協の消費材にも放射能の影響はありましたか? A 当初、牛乳、肉、卵、米から始め、毎週5、6品を検査してもらったところ、予想していた通り道産の物は問題のないことがわかりました。でもチェルノブイリ事故では放射能が世界中に流れたので、今後も検査を続ける必要があります。特に海洋汚染は境界がありませんからね。三陸水産のわかめなどは、事故前の在庫品だったので、全く問題はありませんでした。新物に切り替わる時にまた検査します。 Q 稲わらの汚染も報道されましたが、飼料は測っていますか? A 鶏の飼料、牛の米糠や豚の飼料用米などは、生産者が自主的に測っています。生活クラブでは 飼料は測っていませんが、豚肉、鶏肉は飼料の魚粕が切り替わった時、牛肉や牛乳は牧草が切り替わった時点で測定しています。 Q 連合会のホームページでは検査の全てを公開しているそうですが、どのような結果でしたか? A 暫定基準値を超えたのは、北海道では扱っていない一部の農産物だけでした。昨年10月から今年2月までの検査では、新しい独自基準を適用した場合に超えるのは5件で、全体の0.03%です。検査数1万5千件の実績が、生活クラブの誇れるところで、ほかにはないこの実績があるからこそ独自基準は、国の新基準よりも低く設定することができたといえます。「検出限界」という表現は今後も続きますが、独自基準が遵守されていることが確認できるように運用していきます。 Q 独自基準での検査は進んでいますか? A 北海道から、以前は毎週5、6品目送っていましたが、前よりも精度を上げるため測定時間を長くしているので、毎週2品目ずつ検査室に送っています。 水産品、農産品、また独自基準値の低いものを優先し、4月は魚、5月には米、豆腐の原料大 豆を検査しました。農産物は新物供給開始時に測定します。検査の結果は、毎月3週目の生活 クラブニュースで知らせていますし、ホームページでも随時アップしています。今後は、より見 やすい工夫をしていきます。 放射性セシウム 単位:ベクレル/kg
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天気の良い土曜日とあって、この日回った公園や駅前な ど3カ所の来場者は合計で20名になりました。「以前、乳 幼児の予防接種会場近くでチラシまきをした時に、住所を 書いてくれた人が今日の展説に来てくれました。一人ひと り丁寧に対応しながら、これからもどんどん生活クラブの 良さを伝えていきたいです」と、運営委員長の佐藤なぎさ さんは話します。北斗支部では、地道な活動が少しずつ地 域で芽吹いていることを実感しています。(取材/谷山) ![]()
午後は、組合員が少ない地域で開催しました。チラシ を見て来場したのは以前組合員だったという人とその友だち。また、新運営委員が積極的に声をかけていたのは、公 園に遊びに来ていた子ども連れのお母さん。委員の説明に しっかりと耳を傾け、「無添加の調味料なのに、あまり高 くないんですね」と話していました。 展説に向けて新運営委員4人と地区担当委員が協力し 合ってまいたチラシは1000枚。この日、ここで10人の 人に会って語ることができました。アンケートにも答えて もらったので、引き続き対応した委員が電話をかけるよう 運営委員長の山谷さんは確認していました。(取材/沼田)
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