「東日本大震災」に関連する報告について

生活クラブ北海道から

<支援募金、災害見舞積立金について>

・3月11日に発生した「東日本大震災」に際し、たくさんの支援募金のご協力ありがとうござい

 ました。募金合計額は685万6千円となり、5月末に日本赤十字社に義援金として送りました。

・2011年5月25日の総代会にて、2010年度剰余金の一部500万円を「災害見舞積立金」とするこ

 とが承認されました。事業を支えてくれた被災地の提携生産者(北海道単協の提携生産者を

 含む)と生活クラブ運動をともに担ってきた被災地にある生活クラブ単協の復興支援に充てました。

・「災害見舞積立金」は7月上旬に、窓口である生活クラブ連合会に445万円(生活クラブ連合会の

 第一次カンパとなります)、三陸水産(有)に55万円を届けました。

 

<三陸水産(有)被災状況報告> *7月7日に現地を訪問し代表取締役の雨澤進さん、専務の

雨澤勉さんにお話しを伺ってきましたので報告します。

「福島県いわき市にある三陸水産(有)は今回の地震により地盤沈下が起こり、駐車場や敷地内

 に地割れが発生し、現在もその痕跡が残っていました。3月11日の震災当日は従業員全員が

 福島県から一時避難しましたが、一人の方が津波に巻き込まれ怪我をして今も入院しています。

 避難している期間、幸いにもライフラインは繋がっており、加工場の冷凍庫に保管していた原材料

 等は無事でした。現在は通常通りの営業となっています。一方で、三陸水産からわかめや花かつ

 おの加工を委託されている生産者(南三陸町)は加工場内の設備が流される等の被害を受けまし

 た。現在は仮設備ですが、復興に向けて少しずつ準備が整いつつあるとのことでした。」

<放射能検査について>

・生活クラブ連合会報告(裏面の【3】消費材・原材料の放射能検査を強化します)にありますように、

 生活クラブ連合会の検査体制の進捗状況や検査結果報告を受け、また、北海道の行政機関によ

 る検査発表も参考にして、北海道単協の提携生産者と協議しながら独自に自主検査をすすめてい

 きます。

・生活クラブ連合会からの放射能検査報告(北海道の取り組み品目関係)

 ①(株)平田牧場の豚肉/生産地:北海道伊達市 と畜日:6/27 
                 ヨウ素131、セシウム134、セシウム137:全て不検出

 ② 北海道チクレン農業協同組合連合会の牛肉/生産地:北海道 と畜日:5/31、6/29

                             ヨウ素131、セシウム134、セシウム137:全て不検出

 

生活クラブ連合会から

<東日本大震災カンパ(第一次)中間報告と今後の放射能検査体制について>

・3月11日に発生した東日本大震災に際し、被災地支援として緊急カンパを実施しました。

 たくさんの組合員、生産者、および海外の団体からもカンパをいただいています。

 ありがとうございました。その集計結果とカンパ金の使途を中間で報告します。

【1】 3~4月に実施したカンパ活動では2億5千万円を超えました。(5月10日現在)

【2】 第一次カンパはいろいろな形で被災者の元に現地に届けています。

①被災した単協・組合員への支援~亡くなられた方、家屋が全壊・半壊の組合員の方々

  ・対象は岩手県・福島県だけでなく、エリアを問わず今回の地震・津波など大震災で被災され

   た組合員の方へのお見舞い金です。

②被災した提携生産者へのお見舞い金

<地震・津波で被災した生産者>

・㈱高橋徳治商店、重茂漁業協同組合、㈱丸壽阿部商店、宮古水産加工業協同組合、

 ㈱マルハニチロ食品仙台工場、くみあい飼料石巻工場、本田水産提携先:全国農協食品㈱

 岩手缶詰宮古工場提携先:日本果実工業㈱、千葉県漁業協同組合連合会銚子工場

<原発事故により出荷ができずに損害を受けた生産者>

・丸エビ倶楽部、村悟空、旭愛農生産組合、JAちばみどり海上産直部、JAちばみどり旭サンフ

 レッシュ、栃木県開拓農協

③被災地への緊急支援物資の提供

・震災翌日の3月12日から被災地への緊急支援を始めました。組合員、各単協、生産者の方々、

 九州のグリーンコープなど関係する団体から協力をいただきました。多くの無償提供をいただい

 た物資以外に手配した、食料・日用品・機材・燃料などの費用に充てています。

④支援体制のための拠点づくり~6カ月から1年間の長期支援のための費用

・これまで支援物資の搬入が支援の中心でしたが、今後は生活支援、地域復興に向けた支援が

 必要になってきています。支援のための場所や地域の人を雇用するなど現地の支援をすすめる

 ための費用です。*岩手花巻拠点、仙台拠点・JA加美よつば東北物流拠点(グリーンコープとの

 共同事業)、生活クラブふくしま拠点、生活クラブやまがた拠点

⑤第一次産業復興支援のための義援金や災害ボランティアなどへの募金

 ~被災した多くの農地や農業者、農協の復興、壊滅的な被害に見舞われた漁協関係者、漁協

 の復興、被災した他の被災生協、災害ボランティア・NPO活動のための義援金~

・全国農業協同組合中央会、全国漁協協同組合連合会、日本生活協同組合連合会、中央共同

 募金会の「災害ボランティア・NPO活動のための募金」

 *今回の被災は経験のない規模のものです。農業、漁協の復興のためには多くの団体の協力

 と連携が欠かせません。全国的なネットワークを持つ団体ともに力をあわせ現地の支援にあたり

 ます。

 

-これからの「支援費用の考え方」について-
・被災地の情勢は日々刻々と変わっていきます。これに対応して必要な支援を上記の内容に
沿ってすすめていきます。具体的には、生産者の事業や地域の復興の道筋、支援のあり方
を当該生産者や当該単協と相談、協力して丁寧にすすめていきます。今後は直接的な復興
のあり方とあわせて、地域再生のまちづくりに向けた支援のあり方を検討し実践する計画
です。

 

【3】 消費材・原材料の放射能検査を強化します
 3月11日の東日本大震災をきっかけとした東京電力・福島第一原子力発電所からの事故発生

から、4カ月が経過しました。未だ事態収束の見込みも分からず、食品の放射能汚染について信

頼に足る情報が十分に得られない社会状況を踏まえ、生活クラブ連合会は、消費材の放射能検

査の体制を強化する方針を決定しました。

 

<非常事態>にあって私たちができること

・生活クラブは今回の原発事故を、私たち自身の生活圏内で起きた未曾有の出来事ととらえました。

 政府も"レベル7"と認めた最大規模の放射能放出。原子炉の冷温停止時期のみならず放射能汚

 染の範囲が確定できずにある現状は、まさに非常事態と呼ぶほかありません。

  チェルノブイリ原発事故(1986年)を契機に、輸入食品・原材料の汚染を念頭に定めた「生活クラ

 ブ自主基準」の運用を停止し、「国の暫定規制値」を採用したのもこの認識からです。国の基準を

 「安全」と認めたからではありません。もとより放射能に「安全」と言えるレベルなどありません。可

 能な限り避けるべきであるし、とりわけ妊婦や乳幼児への影響に関する不安は深刻です。しかし、

 一方で健康な生活を維持するためには必要な栄養元である食生活を極端に偏ったものにすること

 も賢明ではありません。

  この悲劇の中で私たちの使命は、未来の世代に、入手しうる限り汚染の少ない食品を提携生産

 者と共に作り・食べるしくみを残すことだと考えます。しかし、それが可能になるのは、消費する側

 の選択判断を可能にする情報が公開されていることが前提となります。すでに4月12日付「見解」

 ニュースにて「組合員一人ひとりが自ら判断する主体になってください」と呼びかけました。今回の

 放射能検査の強化方針は、組合員一人ひとりの判断材料をより多く提供することを目的としていま 

 す。

 

<新たな放射能検査体制>

 これまで外部検査機関に委託して検査に加えて、生活クラブ独自の検査を実施するために2台

 の放射能検査機器を導入します。機器が納品される8月、埼玉県戸田(農産物)・飯能(それ以外

 の食品)のデリバリーセンターに設置し、準備期間を経て9月(予定)以降検査できる品目範囲と

 検体数はこれまでの1日3検体から飛躍的に増大します。

①消費材の供給前全品目検査をめざします。

 ・消費材がデリバリーセンターに納品されて地域の配送センターやデポーに出荷される数時間~

 数日の間に、出来る限り多くの製品を検査します。国の暫定規制値を超える汚染がないか調べ、

 超えた場合は出荷・供給を停止します。簡易検査(5分)と公的検査(2時間)の組み合わせによって、

 より多くの品目の検査と供給適否の判断が可能となります。

②提携生産者に原材料や製造段階の製品検査を要請します。

 ・万一、濃度の高い汚染が発見された場合、数多くの原材料からなる加工食品は生鮮品に比べて

 も、生産者が原因の特定や対策などの面でより高いリスクを背負います。これを緩和するためにも

 原料構成比や利用点数の高い原材料(農畜水産物)については優先的に、生産段階での放射能

 検査を生産者が自主的に行うように要請していきます。なおこの検査は生産者の費用負担になる

 ため対象は一部品目に限られます。

③放射能検査情報はインターネットで公開します。

 ・デリバリーセンターで毎日行われる検査の結果は、速やかに組合員に公開します。毎日大量の

 検査データが更新され、週1回のお知らせでは対応しきれないためホームページの公開が中心と

 なります。ホームページには専用コーナーを設置し(9月予定)、「物流放射能検査」のほか、毎月に

 「放射能検査計画」や生産者が自主的に行う「提携放射能検査」の結果も閲覧できるようにしま

 す。


 ( 生活クラブ連合会ホームページ http://seikatsuclub.coop/ )

 

 

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