生活クラブ つれづれコラム

生活クラブからお届け 徒然記

2011年10月03日

ナウシカのこと

理事 小松 真理

 青い服の女の子。風になびく髪と、空に向け柔らかく広げた両腕と、そのはるか向こうを見つめる涼やかな瞳が好きです。出会いは上の娘たちがごく小さかった頃に観たアニメ映画。ナウシカって変わった名まえの女の子だなあ。
 再会は、もう忘れかけていた数年後の漫画雑誌「月刊アニメージュ」。「風の谷のナウシカ」って連載漫画だったんだ。しかもこれが最終回!あれからずっと続いていたの?映画のTHE ENDは終わりではなく始まり??白黒のページをめくるとあの青い服の色がくっきりよみがえってきました。でもいきなり最終回だけ読んでも何がどうしてどうなのかなあ。
 三度目に出会ったのはさらに数年後、生活クラブの「本の花束」で。生活クラブは安心安全な食べ物を共同購入するだけでなく、それを生み出す背景についてもみんなで考えていくところです。食べるもの、環境、福祉、文化、みんな社会とつながっている。何が必要で何が大切か自分なりに考えたい。本の花束はいわば文化の共同購入、取り上げる本のジャンルは様々で私にとって社会の扉です。「風の谷のナウシカ」全7巻を見つけた時のうれしかったこと!予感通り私の愛読書となりました。巻末に載っていた名の由来~ナウシカはギリシャの叙事詩オデュッセイアに出てくる王女の名。木々を愛で虫と語り,風を招く鳥の人...王女の名をもらったナウシカが生まれたのは、人類が核を使い、自らの手で破壊したのちの地球の片隅でした。わずかに残された希望をつなぎながら、限りなく優しく、賢く、強く生きていくナウシカ。憧れるなあ。
 ほどなく中3、小5の娘を持っていた私にとって、転機となる12年ぶりの妊娠。カコクなつわりの日々、食べることも眠ることもままならない私は7冊のナウシカをひたすら読み返し耐えました! 無事生まれた三女の名は迷わずナウシカの奈生「なう」。「風の谷のナウシカ」は最終回を迎えたけれど、私にとってのちに天啓と思える新たな始まりとなりました。なうって変わった名まえのとびきりステキな女の子♪現在多感な12歳。ただし、まだまだ愛すべきサナギです!